久し振りに長編を読みました。
アメリカの作家レイモンド・チャンドラーによる、最高峰と位置づけられる「The Long Goodbye」です。1953年刊行なので、いまから60年も前の作品ですね。
ほとんど海外ミステリ、ハードボイルド、古典と呼ばれるものを読んだことない私ですが、この4月から日本版として浅野忠信さん主演でドラマ化されるということで一念発起です。
いやあーーー、長かったです。海外の作品にも村上春樹さんの文章にも慣れていないので、面白いはずなのになかなかスムーズに読めず、恐らくひと月くらいかかっておりました。
でも!読み進まないのと面白さは関係がないということをこの本をもって実感。すごく面白いです。
読み進めるうちにどんどん面白くなっていき止められなくなったので、最終章では一気読みし、読み終わったら息が切れました。
たくさん本を読まれていて、とりわけ日本のミステリーがお好きな方は、もしかしたら「ああ、あの作家さんはチャンドラーが好きなんだな」なんてこともお分かりになるかもしれません。
それくらい、ミステリーの要素をギュギュッと詰め込んだかのような濃いものになっております。
また、村上春樹さんによる訳の徹底したキザさ!この登場人物たちは簡潔に会話ができないのかしら、と思ってしまうほどユーモアと皮肉の効いた言い回しは、さすが。
巻末には訳者による解説があるのですがそちらも物語の背景が分かり、興味深かったです。
「ロング・グッドバイ」は私立探偵であるフィリップ・マーロウの長編シリーズのひとつ、ということですので、いつか別のお話を、また違う訳者によるものも読んでみたいです。